出展者特集記事

【株式会社レゾナック】
パワー半導体モジュール用材料を顧客と
共創開発 ~素材メーカーがモジュールの実装・
評価に挑戦~

2024年1月4日

レゾナック

レゾナックは、昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が2023年1月に統合した化学メーカーで、社名のRESONACは、「Resonate:共鳴する、響き渡る」とChemistryの「C」を組み合わせて生まれた。「化学の力で社会を変える」をパーパスに掲げ、共創型化学会社として社会を変えていきたい、としている。今回は以下の9件の展示で、レゾナックの最新技術と顧客との共創を提案する;

① 川崎プラスチックリサイクル(KPR)事業推進
② 新しい炭素循環型プラスチックケミカルリサイクル技術の開発
③ 革新的分離剤を用いた低濃度CO2分離システムの開発
④ SiCエピウェハ(HGE-3rd Gen開発および200㎜サンプル供給)
⑤ パワー半導体モジュール用材料、パワーモジュールインテグレーションセンター
⑥ 6G/Beyond5G向け機能性材料開発
⑦ カーボンニュートラル実現に向けた計算科学による取り組み
⑧ ディープラーニング画像解析による材料検査の自動化
⑨ CMPスラリー開発における計算科学とVR技術の活用
昨今世界的なEV化に伴って、パワー半導体/モジュールへの投資や開発競争が活発であること、nano tech展来場者がワイドバンドギャップ半導体や耐熱材料に関心が高いことから、本出展製品紹介では、⑤パワー半導体モジュール用材料、パワーモジュールインテグレーションセンターについて、以下に詳しく紹介する。

1. パワーモジュールインテグレーションセンター(PMiC)でのモジュール試作・評価

半導体向け材料はレゾナックの重点事業であり、特にEV車に搭載するパワー半導体モジュールは今後大きく伸張する市場と見込んでいる。そこで、先端融合研究所内にレゾナックのパワー半導体モジュール向け素材をモジュール化して評価を行うPMiC (Power Module integration Center)を2021年に創設した。

図1: PMiCが目指すパワー半導体モジュール材料の共創型開発フロー

図1に、PMiCが目指すパワー半導体モジュール材料の開発フローを示す。上段が従来の開発フローで、社内での研究開発、素材・部材の単体評価を経てOKであれば顧客に提案し、顧客評価でOKであれば量産に移る。従来は顧客が行う評価結果で素材特性改善の手戻りが発生し、量産までの期間が長くなってしまうという課題があった。そこでPMiCが目指す下段のフローでは、顧客の条件に従ってレゾナックの素材/部材をモジュール化して事前評価することで、顧客による評価期間短縮への貢献を目標にしている。
図2に、評価用パワー半導体モジュールの試作例を示す。レゾナックで開発した素材(高耐熱コーティング材「HIMAL」、焼結銅ペースト、アルミ冷却器など)を市販のパワーMOSFETやIGBTなどと組み合わせてモジュールを実装・評価する。モジュールタイプとしては、1in1以外にも 4in1, 6in1 など素子数を増やした様々な試作をして、熱性能評価が可能である。モジュール評価は放熱性能を構造関数として取得して評価し、またパワーサイクル試験機にかけて信頼性評価も行う。構造関数を利用することで、モジュールの放熱性能に及ぼす各材料の寄与を分離して評価できるので、モジュールとして最適な熱設計が容易に可能になる。また、測定結果は伝熱解析、構造解析、電磁界解析、流体解析などのシミュ―レーション結果と照らし合わせて評価結果の解析をする。

図2: 評価用パワー半導体モジュールの試作例

素材メーカーがモジュール化をして評価することまで行っている例は他にない。レゾナックが有する様々な素材を複合化して顧客の条件で評価できる点は、同社の強みになっている。PMiCが発足して2年余が経ち、図1に示した顧客による評価期間短縮の効果が実績として見えつつある。  nano tech 2024の展示ブース:4B-17でモジュール試作例や様々な評価例を展示、説明しているので、是非お立ち寄りください。共創開発のきっかけになることを目指している。 レゾナックは、自動車業界、半導体、材料メーカーなど、熱マネジメントに関心を持つ皆さまとの情報交換の機会となることを期待している。

2. セミナー;「パワー半導体モジュールの熱マネジメントと高放熱材料」

[nano tech 特別シンポジウム]“省エネに貢献するパワー半導体とそれを支える高放熱材料最前線”が2024年2月1日(木)にメインシアター(東4ホール)で開催される。その中で、レゾナックの先端融合研究所 所長久幸晃二氏が「パワー半導体モジュールの熱マネジメントと高放熱材料」と題する講演(10:30~11:00)をするので、展示と合わせて是非ご聴講ください。(事前登録制)
https://unifiedsearch.jcdbizmatch.jp/nanotech2024/jp/sem/nanotech_mems/
seminar_details/jNdVlgbkoUw#A29157448

(註)図はすべてレゾナックから提供された。

小間番号 : 4B-17

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